ジョホールバルでは配車アプリサービスの「Grab」がこの1年くらいの間に利用する人が急増しています。数年前まで町中に溢れかえっていた年期の入った赤色のタクシーの数が激減してしまった背景にはGrabが影響しており、このGrabの勢いが感じられます。日本ではタクシー業界の規制が強く、GrabやUberといった配車サービスの普及には時間がかかりそうですが、外国人旅行者にとっては、言葉がわからなくても利用できるのでとても便利なサービスです。
まず、Grabはタクシーより価格が安く設定されています。また、東南アジアでよくある外国人に対してタクシー料金をぼったくるということもGrabでは、アプリで現在地から行き先を設定した時点で、料金が表示され、かつ、アプリに登録したクレジットカード決済なので「ぼったくられる」ような被害もありません。また、言葉がわからなくても、配車申込みをする際にアプリで行き先を登録するので、Grabの車に乗ってから運転手に行き先を伝えなくても、運転手側のスマホのGrab専用画面に行き先のナビ画面が表示されているので、ひと言も伝えなくても、行き先へいくことができます。ジョホールバルへ訪れるときにはGrabのアプリを登録しておくと便利です。
実際にジョホールバル滞在中、Grabを使ってみるとアプリも直感的に操作でき、行き先の設定、車の呼び出し、乗車と下車まで不自由なく使えました。その後は、どこかへ移動するときは、町中で赤いタクシーを見かけても乗ろうという気持ちにはならず、Grabを使うようになっていました。
実際の使い方ですが、Grabのアプリはiphoneとandroidで利用できるのでダウンロードし、アプリを立ち上げると、GPSで現在地が自動で取得されます。カーナビと同様に行き先に名称や住所を検索エリアに入力し、該当する場所を選び、行き先を設定します。今、自分がいる周辺でGrabの車がアプリの地図上で確認でき、数分待つとGrabの運転手からメッセージが届き、今自分のいるところまで何分くらいで到着するか確認し、よければアプリ上で依頼をするだけです。車の車種情報やナンバー情報、色などをアプリで確認できます。また、スマホの画面に表示されている地図上に依頼した車がアイコンで表示され、どこを走っているのか、もうすぐ到着するなとリアルタイムで表示されるのも見ていて楽しいです。
Grabの車が自分のいるところに到着するとタクシーと同じ要領で車の後部座席に乗り込むと、何もいわなくても、運転手のスマホの画面に目的地が表示されているので、Grabの地図に従って出発してくれます。少し心配になったので乗ったときに、行き先の名称をいってみると、運転手もアプリを見ながら大丈夫、わかっているよといった感じで応えてくれました。目的地に到着すると、お金の支払いもなくそのまま下車して終わりでした。とてもシンプルで初めて使ったときは少し感動しました。お支払いはGrabのアプリを入れたときに、クレジットカード情報の登録があり、その登録したカードから自動的に決済されていました。
Grabの運転手に何故Grabをやっているのかと何人かに聞いてみると、本業が別にありGrabはバイト感覚でやっているという人、タクシー会社で勤めていたが辞めて個人でGrabで仕事をやり始めた人、Grabを本業としてやっているという人、色んな人がGrabを使って働いていることがわかりました。タクシーの数が減っているのも、タクシー会社を辞めて自家用車でGrabに変わった人もたくさんいるからでしょう。20代になったばかりで新車をローンで購入した若者はGrabを本業としていて月の収入を平均すると3,000RMはあるといっていました。現地の20代の人の一般的な企業の平均は1,800~2,500RMほどなので、完全出来高制ですがGrabの方が稼げてしまうということで、Grabが一つの職業として成り立ってきていることがわかります。